2017年10月5日木曜日

米スタートアップが3Dプリントによる臓器再生技術を開発中

米国カリフォルニア州発:サンフランシスコ市内に本拠を置くバイオ3Dプリントスタートアップ Prellis Biologics は現在、患者自身の組織から培養 / 生成した臓器組織を3Dプリントして再び体内に戻し、機能不全になった臓器を再生させる技術の開発に取り組んでいる。

米国保健福祉省( HHS )によると、毎日 20 人が臓器移植を受けられずに死亡し、2016 年度の調査では臓器提供を待つ患者総数が9月時点の集計で 116,000 人以上なのに対し、移植が実施されたのはわずか 33,611 件に過ぎず、深刻な臓器不足が続いている。同社が開発中の技術は、まず患者本人の生態を採取し、そこから必要な細胞を抽出して臓器を再生できるほどの量にまで培養する。それをゼラチンベースに載せてレーザー3Dプリントで立体化し、再び患者の体内の損失した臓器の部位に戻すというもの。

同社共同創業者で発生生物学者の Noelle Mullin 博士は、開発中のこの技術で何百万人もの人々に長く生きてもらいたいと述べる。同博士によると、使用するのは患者本人の細胞なので拒絶反応もなく、また1つの臓器のプリントは最長 4 か月ほどで済むとしている。

Mullin 博士らによれば、次はインスリンを分泌する島細胞のプリント実用化を 2021 年ごろをめどに目指すとしている。これが実用化されれば、面倒なインスリン注射や血糖検査も不要となるはずだ。同社は True Ventures 主導で 180 万ドルの開発資金を調達済みだ。

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