2014年3月8日土曜日

現役工科大学院生の開発した3Dプリンター、「Lathon」

ジョージア工科大学の航空宇宙システム デザイン研究所( ASDL )で研究をしている大学院生 Nohtal Partansky 氏は、従来の市販3Dプリンターの欠点を改善した「Lathon 3D Printer」をゼロから開発し、Kickstarter 上で公開している。

Partansky 氏は市販されているプリンターを使い始めた当初より、使い勝手の悪さやイライラさせられる点に気づき、どうにかしたいと考えるようになったという。まったく新しい3Dプリンターを新規開発することを思い立ったのは大学3年の時だったが、ようやく目に見える形になった。

このプリンターは、シンプルな操作性が特徴だ。同氏によれば、従来製品に求められていたユーザー側の操作を可能な限り排除したという。造形後の面倒なサポート材除去作業も、溶解性サポート材採用により不要、としている。

製品寸法も大きく( 25x16x25 インチ )、このため従来の市販プリンターでは何度かの工程に振り分けて行なっていたような大型造形物( 最大造形サイズ12x9x8 インチ )も1回の工程で済む。また最大8種類のフィラメント素材が使用可能で、2種類の色 / 素材の同時出力およびカーボンファイバー造形に対応し、異なる素材同士を重ねて造形することも可能だという。Partansky 氏の試作した 20面サイコロでは、色つき素材でサイコロ面を造形し、数字の色のみ白に変えている。造形作業中に発生する微粒子も活性炭素フィルターで除去する防塵機能も備え、ダストカバー付きなので造形中の温度変化も受けにくく、高品質な造形を可能にしている。

部品1つとってもすべて何もないところから手作りして組み上げたため、「すべてが苦労の連続」だったと Partansky 氏。

目下、この「Lathon( Nohtal を逆から読んだもの )」3Dプリンターでバッテリー充電可能な照明器具を作りたいと Partansky 氏は言う。そして、これまで試作した中では最大級のピラミッドの製作も計画している。完成には 20~30時間はかかるだろうという。

「3Dプリンターの非常に素晴らしい点は、作れないものがないツールだということ。何だって製作可能なことだ」。

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