2014年5月24日土曜日

2013年の金属3Dプリンター売上は前年度比 75.8%の増加

米国発:3Dプリント業界アナリスト Wohlers Associates の最新レポートによれば、金属部品を出力する工業向け3Dプリンターの売上が急伸している。

一般に市販されている3Dプリンターで使用される素材の主流は光硬化ポリマーで、次いで熱溶解性樹脂( サーモプラスチック )。金属部品を造形する3Dプリンターは構造が複雑で、大変高価だ。プリンター本体だけで数千~数万ドルはする。

同レポートによれば、2013年度に販売された金属
3Dプリンターは 348台で、198台販売した前年度比で 75.8%の増加。主要購入者は医療、歯科および航空宇宙産業で、主に試作品製作目的だという。

だが、すぐにもこうした金属3Dプリンターが一般家庭にも普及する、と期待するのは早計だ。

Wohlers Associates 代表の Wohlers 氏は次のように指摘する。「同じ3Dプリンターとはいえ、金属造形タイプはまったくの別物。作業温度も高く、家庭用として使うには安全対策上問題がある。サポート材除去も簡単ではなく、帯鋸やグラインダーといった金属加工現場で使われるようなツールが必須で、知識も必要だ。樹脂造形タイプの3Dプリンターでもそれなりに難しさがある以上、一般消費者が金属3Dプリンターでの造形に乗り出すとはとても思えない」。

また、同レポートでは、2013年度の3Dプリント製品および3Dプリント サービスの市場規模は30億7千万米ドルで、前年度比 34.9%の伸び率だという。

Wohlers Associates は積層造形産業において、新製品開発やトレンドに関する技術的・戦略的コンサルティング サービスを提供している。同社発行の年次報告書は、プリンターや付随アプリケーション各種のテクニカル分野に加え、経済的要因および業界各社の株価変動など包括的に網羅した分析を行なっている。