2014年12月20日土曜日

ISS 船長が工具を自力で3Dプリント

国際宇宙ステーション( ISS )発:ISS 船長 Barry 'Butch' Wilmore 氏は急遽、ソケットレンチが必要になった。そこで、ISS 専用3Dプリンターを開発した Made in Space の技術者がレンチの3D CAD データを作成、NASA は安全性を確認した後、3Dデータを含む出力手順を ISS に送信した。Wilmore 氏は早速その手順に従ってレンチの3Dデータをプリンターに投入し、4時間後、望みの品を手に入れることができた。

これは、NASA が地球周回軌道を回る宇宙船に向けて初めて「電子メール」で送信した3次元データということになる。以前はこのような工具が入り用になった場合、次のミッション実施まで数か月は待たされたところだ。

「このソケットレンチは地上で設計され、ISS にデジタルデータ送信された初の3D製品だ。今回作成した3D CAD データは、どんなロケットでもかなわないほど速くWilmore 氏の許に届けられた」と、Made in Space 創業者 Mike Chen 氏は語る。「今回、出力された製品から、微小重力環境が3Dプリント工程に及ぼす影響を調べ、将来、宇宙空間で作られる製品がどのようなものとなるのか、そのモデル化に役立てたい」。

今年9月に SpaceX の宇宙船に搭載されて ISS に運ばれた専用3Dプリンターは先月 17 日に設置作業を終えた後、予定されていた 20 品目の試験プリントに成功している。同プリンター製造元 Made in Space では、来年にも同プリンターよりさらに大型の商用3Dプリンターを ISS に導入する計画だ。

また欧州宇宙機関 ( ESA )も来年、独自開発した3Dプリンターを ISS に運搬する計画を明らかにしている。ISS 内の3Dプリンターで製作された工具等の出力品は再び地上に運ばれ、地上で製作された対応部品との詳細な比較試験にかけられる。

参照元記事1
参照元記事2.