2017年3月19日日曜日

部屋を丸ごと3Dプリンター化する「 Hangprinter 」

スウェーデン発:個人メイカーの Torbjørn Ludvigsen 氏はこのほど、「部屋」空間を丸ごと3Dプリンター化するユニークな発想のデルタ型3Dプリンター「 Hangprinter 」の試作機を発表した。

「 Hangprinter 」はオープンソースの RepRap 3Dプリンターの 1 種。Spectra や Dyneema といった超高分子量ポリエチレン( UHPE )製の釣り糸を含めた3Dプリンター本体は全て一般に市販されている製品で構成され、天井、壁面、床に固定した滑車および釣り糸から成る動作部を PC で制御して成形する。

このようなタイプの大型造形用3Dプリンターは Ludvigsen 氏の「 Hangprinter 」が最初ではないが、同氏によれば3Dプリンター構成部品の調達費は 250 ドルほどで足りるとし、とにかく安価に組み立てられることが大きな特徴だという。オープンソースの RepRap なので自己複製や自由な改変もできる。

Ludvigsen 氏の話「はっきり言って、3Dプリントにはある程度の作業をこなしたあとで自爆プログラムが作動する2Dプリントと同じ轍を踏んで欲しくなかった。それを防ぐ最善の回避策はオープンソースで、自己複製可能な設計にすることだ。Hangprinter の部品のほとんどは複製可能で、しかも組み立てや複製が容易な仕様となっており、収入源にもなる。自分にとってオープンソースとは富と力をごく普通の家庭に分配すること。自分もそういう家庭に育った」。「 Hangprinter 」動作デモ動画で、同氏はランプシェードを試作している。

Ludvigsen 氏によれば、素材品質や解像度を向上させればもっと多様な製品、家具、完動部品を含む機械製造用途も可能になるかもしれないとしている。現在、同氏はクラウドファンディングサイト上で開発資金を募っている。




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