2017年3月6日月曜日

英ウェールズの男性が新型3Dプリント義手製作会社を設立

英国ウェールズ発:心理学教師だった男性が片手を失った 2 歳の息子のために3Dプリント義手を製作し、話題になっている。

この男性はアングルシー島在住の Ben Ryan 氏。同氏の息子は 2015 年 3 月に誕生後、まもなく先天性血栓症で左手が壊死し始めたため、左前腕から先を切断する手術を受けた。Ryan 氏は医師から筋電型義手を装着できるようになるまであと 3 年はかかると言われ、また息子が次第に右手だけを使うようになり始めたことからできるだけ早く義手を自作したいと考えるようになり、乳幼児の身体発達についても徹底的に調査して開発に取り組んだという。

Ryan 氏は息子 Sol 君の左腕を自宅にあった 20 英ポンドの「 X Box Kinect 」スキャナーで測定し、Autodesk の「 Fusion 360™ 」でデザインした3D CAD データをStratasys の「 Connex 」3Dプリンターで出力した。試作品プリントまでわずか 5 日しかかからなかったものの、その後は使いやすいように改良を繰り返し、最終的な試作品を完成させた。

Ryan 氏が試作した義手は空気圧や水圧を補助力として利用する二重螺旋ベローズ機構( DAHB )により、義手の親指を開いたり閉じたりすることができ、補助力が切れても手動による操作は継続できる仕組み。同氏によるとこの独自機構は硬 / 軟素材の同時出力に対応する「 Connex 」だから実現したという。同氏はこの DAHB の特許も取得した。

Ryan 氏は同様の先天性要因で手の一部を欠損した乳幼児にも DAHB 機構内蔵の義手を提供するため Ambionics という会社を設立し、現在、医療器具として認証されるために必要な製品試験および CE 、米国食品医薬品局( FDA )認証にかかる経費捻出のために資金調達キャンペーンに専念している。

Ryan 氏の話「私達は3Dプリントのような技術を利用することができて幸運だ。3Dプリントなら従来より早く、低コストで試作ができる。Ambionics を設立した今は、息子と同じ四肢不全の子供たちに従来の人工装具製作の遅さや様々な制約の一切ない装具を提供することが目標だ」。





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