2017年7月23日日曜日

3Dプリント製品強度を 275 % 高める画期的新技術を開発

米国テキサス州発:テキサス A & M 大学工学部はこのほど、カーボンナノチューブ( CNTs )とマイクロ波を使用して3Dプリント製品強度を飛躍的に高める新技術を開発したと発表した。

この新技術を開発したのは同大学材料科学 / 工学科博士課程に在籍する Brandon Sweeney 氏と、指導教官の Micah Green 准教授。両氏によると、特に FDM 型3Dプリンターで出力した製品には各層理面の剥落による損壊のために試作品製造用途に留まる場合が多いことから、同方式でプリントアウトした製品強度を実用に耐えられるレベルにまで高める技術の開発の必要性を感じたことが開発の動機だと述べている。

今回 Sweeney 氏らが開発した新方式は、熱可塑性ポリマー表面にカーボンナノチューブのコーティングを施し、プリントアウト時にマイクロ波照射により加熱することで溶着させるというもの。溶着工程で加熱されるのは樹脂のカーボンナノチューブのコート面のみで、TIG 溶接のような感覚で点溶接ができるという。

同氏らは現在、開発した新技術の特許を申請中で、既に地元企業にライセンス供与している。この方式の利点は3Dプリントとマイクロ波溶接とが同時に行えることで、破壊強度も従来の 275 % 増という飛躍的向上を達成したという。

今回の研究成果は Science Advances 電子版最新号に掲載されている。




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