2017年7月8日土曜日

3Dレーザースキャンで植物と人間神経細胞の成長プロセスの類似性が明らかに

米国カリフォルニア州発:ソーク研究所の研究者チームはこのほど、3Dレーザースキャンデータ解析の結果、人間の神経細胞と植物の新芽の成長プロセスが類似していることを発見したと発表した。

同チームの統合生物学科 Saket Navlakha 助教によると、自然界における植物の形状決定には苛酷な自然環境などに対処するといった要因がある一方で、その成長過程にはある決まったパターンがあるのではないかと考えたことからスタートしたプロジェクトだという。同助教らは高精度3Dレーザースキャナーを使用してサトウモロコシ、トマト、タバコの 3 種の植物を種子から育て、実際の自然条件と同様に照度や照明時間や温度を変えたりして約 1 か月、それぞれ3Dレーザースキャンで計測して数値化したものを解析した。

その結果、分離可能性、自己相似性、ガウス密度関数的分布の3要素があることがわかった。同チームの 1 人で分子神経生物学者 Charles Stevens 氏によると、この3要素は人間の神経細胞の発達と分化の過程とも共通するという。同氏の話「神経細胞の樹状突起と植物の新芽の成長には驚くほどの類似性が見られ、これには何か根本的理由があるはずだ。おそらく両者は共に干渉しないていどに疎らだが可能な限り自分の領域を覆い尽くそうとする働きがあるのではないか」。

今回の研究成果は専門誌 Current Biology 電子版上で公開されている。

参照元記事