人工透析では大量の血液を透析機に送り込むため、樹脂製の人工血管が広く使用されているが、場合によっては患者体内での細菌感染を引き起こす恐れがある。今回開発された 3Dプリント技術では使用するのは患者本人の皮膚細胞であるため、自己免疫機能が働きやすくなる。
血管組織を傷つけずに立体再現するために、共同研究チームは金属針( 全長約 10mm、直径約 0.1mm )を 3Dプリンターに無数に取り付け、針の長さと分量を調整することで血管の太さを調節した結果、この 3Dプリント装置によって直径 2-3mm の動脈の立体複製を 10日で作製することに成功したという。
今回開発された新技術はすでに日本、中国、シンガポールで特許取得を済ませており、それ以外の国でも出願中。米国でも同様に血管の複製を作る技術の開発が続けられているが、日本での臨床試験が早い段階で終了すれば、この分野において日本が一歩、先んずる可能性がある。今後、この新技術によって細胞の複製作製が広範囲で開発可能になれば、失った器官や組織の「復元」も、安全かつ効率的に行えるようになるだろう。
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