2014年10月27日月曜日

未来の撮影スタジオはこうなる ―― あるアーティストの試み

米国ニュージャージー州発:ザ・ハイツ地区マンハッタン アベニューにスタジオを構えるブルックリン出身のアーティスト Fred Kahl 氏は、XBOX One 用 Kinect イメージセンサーや市販パーツなどを組み合わせて3Dスキャナーを自作した。同氏は子供のモデル相手に「そのままじっとして」と懇願する。

Kahl 氏はこの3Dスキャナーを、全て Web 上で見つけたオープンソースデザインを使用し、垂直方向にセンサーを動かすためのプーリーシステムも含めて自作した。製作にかかった費用は約 500 USD。

「僕たちもメイカー ムーヴメントの一員だ。アートと科学が交差する点にあり、まさに革命的。この3Dスキャニングと3Dプリンティングでやっていることは、ラピッド プロトタイピングそのもの。デジタルイメージとして描き、実際のモノとしてカタチにする」。

Kahl 氏によれば、3Dスキャンした人体モデルを高解像度で出力するには6-12時間ほどかかるという。

「これからの人物撮影スタジオは、きっとこんなふうになるね」。

この日、3次元スキャナーの回転台の上に乗ってじっとしていたのは6歳の Freddie McCann 君。母親と妹の3人で「3次元ミニチュアモデルの撮影」のため、ビルの4階にある Kahl 氏のスタジオにやってきた。この日はハロウィーンにちなんだイベントが開催され、彼は最初の3Dスキャニング体験者となった。全身3Dスキャンが終了すると、Freddie 君の3Dデータはスタジオ内の3Dプリンターへと転送され、数インチほどの立体モデルとして出力される。

Freddie 君の母親 Jennifer Clowe さんによると、Freddie 君がビデオゲームなどのテクノロジー関係に興味があり、それでここに連れてきたという。Freddie 君に続き、4歳の妹 Louisa ちゃんもスキャン台に乗った。

同スタジオスペース設立者でオーナーの Eric Nadler 氏は、次のように述べている。「ここは iPhone ケースから宇宙船まで、なんだって作れる場です」。

今回のハロウィーンイベントは、いわゆるファブラボ展開の第1歩という位置づけもある。Nadler 氏は、子供も大人も含めた地元住民が、互いに知恵を出し合い、設計し、モノを作り、修理したりするワークショップにしたいという。

「みんなに3Dデザインの仕方や製品の作り方を教えたいと、心から願っているんです」。

参照元記事