2015年9月11日金曜日

MIT が直感的操作可能な3D CADインターフェイス「 Fab Forms 」を開発中

米国 / イスラエル発:MIT と IDC ヘルツリーヤ の研究者達は共同で、クラウドベースで操作可能な3D CAD インターフェイス「 Fab Forms 」の開発に取り組んでいる。

出力側の3Dプリンターは技術革新が進み、誰でも扱える直感的インターフェイスの搭載などを売りにする機種が増えているものの、元になる3Dデータを作成する3D CAD ソフトウェアのほうは熟練ユーザーでも手間がかかるなど扱いやすいとは決して言えない。

MIT のコンピューターサイエンス / エンジニアの大学院生 Masha Shugrina 氏および IDC ヘルツリーヤの研究者チームはこの現状を改善すべく、Web ブラウザベースで動作する新しい3Dデータ作成インターフェイスを開発することにした。CAD ファイルを自動的に実際の見た目の立体モデルに変換し、ユーザーはそれを見ながら画面上の仮想スライダーでサイズなどを調整するだけでよいとしている。

「 Fab Forms 」にはまずプロの CAD デザイナーの手になる作例が表示され、各パラメーターを変更するとデータベース上に蓄積されたデータが呼び出され、変更箇所が随時、実際の立体モデルとして反映されてシミュレートされる。変更されたパラメーター値がデータベースにない場合は、クラウド上に分散するサーバーに送信されて計算された値が返されて反映される。物理的にプリントが不可能なパラメーターを入力すると、システム側が自動的に排除する。従来、こうした手法は単一コンピューター上では何百時間もかかる計算だが、クラウドサーバーを使用するこちらの方式では数分もあれば完了する。同時に、作成されたデータ等の結果も全てクラウド上のデータベースに格納され、データが蓄積され続ける仕組み。

「 Fab Forms 」については先月、MIT と IDC 両開発者チームが先月、ACM SIGGRAPH カンファレンスAssociation for Computing Machinery's Siggraph conference )で論文を発表している。また彼らによれば、Autodesk も彼らの研究成果に関心を示しているという。Autodesk も同様の問題の改善を目指し、独自開発した「 Shapeshifter 」という Web GL ベースの3D CAD モデラーを既に公開している。



参照元記事1
参照元記事2