2016年3月12日土曜日

HP が「 Multi Jet Fusion™ 」搭載新型ハイエンド3Dプリンターの詳細仕様を発表へ

米国カリフォルニア州発:HP Inc. ( NYSE:HPQ )はこのほど、「 Multi Jet Fusion™ 」を搭載予定の産業向け新型ハイエンド3Dプリンターについて、今月 11 日 - 20 日にかけて開催されるイベント「 South by Southwest( SXSW ) 」カンファレンスで詳細な仕様を発表することを明らかにした。

同社3Dプリンティング取締役社長 Stephen Nigro 氏はこの「 Multi Jet Fusion 」搭載の新型3Dプリンターについて、計画通り既に量産体制に入っており、今年後半にも出荷される見通しだと述べた。販売価格は 10 万 - 100 万ドルを予定しているという。同新型3Dプリンターは 2014 年 11 月に発表され、出力されたサンプルが展示されたりもしたが、同社がこの新製品自体について言及するのは今回が初めて。

同氏によると、「 Multi Jet Fusion 」新型3Dプリンターは従来製品に比べ 10 倍の高速化を実現する一方、導入コストは産業市場向け既存製品の約半額になっているという。また同氏は、ポリアミド等サーモプラスチック素材を使用する FDM 方式では 83 時間、SLS 方式では 30 時間かかっていた部品製造も、「 Multi Jet Fusion 」ならたった 3 時間で完了するとしている。

同社によると、Multi Jet Fusion 技術は2Dインクジェットプリント技術に非常に近いという。Multi Jet Fusion も SLS やパウダーベッド方式と同様にマイクロレベルで 1 層ずつ積層するが、プリントバーには 30,000 ものノズルが組み込まれ、このノズル群からパウダー素材に微細な結合剤を毎秒 3 億 5,000 万個噴射して造形するもので、フルカラープリントや素材テクスチュアや軟度、仕上がり精度、熱伝導や導電性等も自由に組み合わせ可能としている。使用素材は現時点ではサーモプラスチックのみだが、Nigro 氏は、将来的には金属やセラミックも使用可能にしたい考えだ。



参照元記事1
参照元記事2