2016年10月24日月曜日

超高出力レーザーによる材料強度試験試料の3Dプリント作成に成功

米国カリフォルニア州発:ローレンス・リバモア国立研究所( LLNL )の研究者チームはこのほど、超高出力レーザーによる極限環境下での強度試験に使用可能なターゲット試料を3Dナノプリント技術によって作成することに成功したと発表した。

同チーム主幹 Juergen Biener 氏によると、この3Dナノプリント技術は2光子重合ダイレクトレーザーライティング( 2PP DLW )と呼ばれるもので、この3Dプリント技術を使用して、世界で初めてミリメートルサイズの大きさの低密度発泡体試料を作成することに成功した。同チームの作成した試料はロチェスター大学レーザーエネルギー研究所( LLE )の紫外線レーザー発射装置 OMEGA で実地試験にかけられる。

同チームの 1 人で博士研究員の James Oakdale 氏は、このような強度試験用試料が3Dプリントで作成できれば、密度、脆性、弾性といった強度特性を変えた試料の作成が従来製法より柔軟かつ短時間で可能になると語る。「試料作成に不具合があった場合、これまでは再作成に 2か月かかる場合もあったが、この方法なら翌日か、その日の夜には再作成できる」。

Biener 氏は、2PP DLW 技術は数百種類の微妙に特性を変化させたターゲット試料を材料ライブラリ化し、高速連続試験にかけることも可能になると話す。同チームは 2PP DLW による3Dナノプリント技術について、将来的には高出力レーザーによる材料試験に使用するターゲット試料製造における費用対効果と、従来製法では実現不可能な試料素材のカスタマイズができる3Dプリントならではの利点を挙げ、新しい物理学の要求に即応できるだろうと期待を寄せている。

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