2015年11月28日土曜日

小型ヒト属絶滅種の頭骨を3Dプリントで復元

カナダ・オンタリオ州発:サンダーベイ市のレイクヘッド大学人類学部助教 Matthew Tocheri 博士は、同大学に新たに導入された3Dプリンターで、約 5 万年前に生息したと推定される小型のヒト属ホモ・フローレシエンシスの頭骨断片から本来の姿を復元した3次元レプリカを製作した。

Tocheri 博士は現在、2003 年にインドネシアで発見されたこのヒト属絶滅種の研究に取り組んでいる。フローレス島で発見されたこの骨片は化石化していなかった。そのため「非常に脆く、石膏型を取るといった従来の手法では標本を破壊する恐れがあった」と博士は言う。「彼らはコモドオオトカゲと共にフローレス島に生き、現世人類[ 新人 ]の始祖の出現期まで存在していた」が、現世人類と接触があったかどうかは定かではない。

Tocheri 博士によると、原標本の頭骨片はインドネシア国立考古学センターに保管されている。今回のレプリカ製作に当たり、原標本をジャカルタ市内の病院に運び、CT スキャンを行って3Dデータを取得した。

「3次元の実物大レプリカを手に持って観察するのと、コンピュータ画面上で平板なデジタル画像を観察するのとでは大違いだ」。

ホモ・フローレシエンシス頭骨復元に使用された3Dプリンターは、Canadian Foundation for Innovation およびオンタリオ州の助成によって同大学に納入された。

参照元記事