2015年11月1日日曜日

300 ドルの FDM 3Dプリンターで「人工毛髪」試作に成功

米国ペンシルベニア州発:カーネギーメロン大学ヒューマン コンピューター インタラクション研究所 ( HCII )は現地時間 10 月 28 日、3Dプリント技術を使用して人工毛髪を製作したと発表した。

同研究所博士課程に在籍する Gierad Laput 氏によると、ノズルヘッドキャリッジや造形ベッドを急速に動かすことで放出中の素材が細い線状になり、極細の直線状繊維にすることに成功したという。「発想自体はグルーペンを見て思いついた、至極シンプルなものだった」。

開発に当たった Laput 氏ら3名の学生グループによると、使用した3Dプリンターわずか 300 ドルほどの FDM 方式の市販品で、「髪の毛」の材料も市販の PLA フィラメントだったが、複雑な素材を使用すればその特性によって、新規な効果を生み出すことも可能だという。今回試作した「人工毛」はカットしたり、ドライヤーの熱でカールさせたり、三つ編みにしたりすることもできたという。

ただし同氏によると、人間の頭のサイズをカバーする「かつら」を今回開発した3Dプリントで作る場合、小指の先くらいの 10 mm² 当たりにつき 20 - 25分はかかるというから、相当な時間がかかることになるという。現状では、例えば部分的な付け毛や歯ブラシの毛等に活用できる可能性を示している。


Laput 氏らの研究成果は来月 11 日にノースカロライナ州シャーロット市で開催される UI 技術関連カンファレンス UIST 2015 にて発表される予定だ。



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