2014年6月9日月曜日

NZ 緑の党が3Dプリント推進タスクフォース計画を発表

ニュージーランド発:3Dプリントはニュージーランドでも撮影用小道具や補聴器具、歯列矯正ブリッジなどの製作にすでに利用されている。だが、「ニュージーランド 緑の党」所属議員で同党 ICT 担当スポークスマン Gareth Hughes 氏に言わせれば、ニュージーランドは他国に比べ3Dプリントなどデジタル マニュファクチュアリングへの投資額が少なく、この流れから取り残される恐れがあるという。

同氏は9日、ニュージーランドが3Dプリントの世界的なハブ拠点となれるかどうかを検討するタスクフォース設置計画を発表した。

NZ 緑の党が発足させる新タスクフォースは、政権交代後、デジタル マニュファクチュアリングを国家戦略に位置づけ、3Dプリントの技術開発を大学などの教育機関に奨励する。共同体単位のワークショップを助成し、デジタル マニュファクチュアリング中核的研究拠点を創設する、という内容。

「製品を低コストで大量に生産するというやり方では、ニュージーランドは中国やインドにはとうていかなわない」と Hughes 氏は指摘する。

デジタル マニュファクチュアリングは従来工程より廃棄物もエネルギー消費も少なくて済むため、自然環境にやさしい技術と言える。

現在の政権与党であるニュージーランド国民党政権下では、3Dプリントを含めた新素材研究のために、研究機関等に 1300万NZドルを配分している。政府系機関の Callaghan Innovation は北島タウランガ市のチタニウム産業開発協会( TiDA )に対し、同協会では2台目となる選択的レーザー焼結( SLM )方式3Dプリンターの購入資金を拠出してもいる。

だが Hughes 氏は、政府は3Dプリント全般の戦略を持ち合わせていないと批判、「国内の積層造形産業に向けたビジネスチャンス開拓にはやけに及び腰だ」。内閣の一部閣僚からは、銃器や麻薬の密造などに使用される恐れがあると、3Dプリンターに対する懸念を表明する向きもある。

今回の発表は、NZ緑の党の選挙公約「グリーン革命政策」の一環。同党はすでにニュージーランド グリーン投資銀行創設も提案している。