2015年2月16日月曜日

世界初、省スペース&軽量オールインワン小型3Dプリンター「 Blacksmith Genesis 」

シンガポール / 米国発:南洋理工大学( NTU )学生2名が起業した Blacksmith Group は現地時間2月 14 日、カリフォルニア州サンノゼ市で開催中の米国科学振興協会( AAAS )年次カンファレンスにおいて、スキャナー一体式オールインワン小型3Dプリンター「 Blacksmith Genesis 」を発表した。

3Dプリンター最大の特徴は、特許出願中のロータリー機構を採用した造形ベッドにある。このためガントリー方式で作動する従来機種と比べ、最大造形サイズの割に設置場所を取らないという利点がある。2インチ LCD パネル、Wi-Fi、遠隔操作用カメラ、そして3Dスキャナーとオールインワンモデルでありながら、本体重量も 6kg と軽量化を図っている。ラインレーザーと500 万画素スキャニングカメラによるスキャン時間は従来製品の2倍の6分ほどで完了するという。またプリンター内部カメラにより、スマートフォン経由でどこからでもプリンターに指示を出してプリントしたり、ブリント作業を監視したりすることも可能。自動エラー検出機能も内蔵している。

 Blacksmith Genesis 」は Indiegogo 上で目標額を上回る 80,540 USD の資金を獲得した。来月には出資者限定の特典付き先行販売が開始されるが、米国や日本を含む70か国への配送手数料は無料となっている。それ以外の通常先行予約販売では、PLA フィラメント1スプール付き( フィラメント色は選択可能 )本体価格 2,200 USD、配送手数料は一律 150 USD で、出荷開始時期は6月以降としている。

Blacksmith Group が生まれた NTU は、創立 50 年以内の若い大学では世界第2位にランクインされている。同社はインタラクティブ デジタル メディア研究開発プログラムオフィス( IDM )のスタートアップ支援プログラム「 i.JAM 」と、シンガポール首相府機関のシンガポール国立研究財団の出資で創業した。同社の技術顧問を務める NTU 教授 Chua Chee Kai 氏は、3Dプリント研究の世界的な第一人者と評されている。

Kai 氏は次のように語っている。「低価格帯3Dプリンターが手に入れやすくなってはいるが、依然として操作の敷居は高い。今、3Dプリンター市場に欠けているのは、手頃で高性能、簡単操作の3Dプリンターだ。Blacksmith Genesis はその市場の隙間を埋めるものだ」。

創業者の1人で CEO の Fang Kok Boon 氏はこう述べる。「Blacksmith Genesis は、一般的なホビイストを念頭に置いて製品設計した。現在、流通している3Dプリンターのほとんどがユーザーフレンドリーとは言えず、ゼロから3Dオブジェクトを作らなければならなかった。Blacksmith Genesis なら、専用3Dプリントソフト Blacksmith Sorcerer でスキャン、コピー、プリントが簡単に行える」。

Blacksmith Genesis 主な仕様

3Dプリント:FDM、ロータリー プラットフォーム
最大造形サイズ:6,648 cm³ φ=23 cm、H=16 cm )
層間解像度:50-200 μm
フィラメント:PLA、φ=1.75 mm 
ノズル径:0.4 mm
プリントファイル:.STL, .OBJ

スキャン技術:複数ラインレーザー測距
スキャン可能容積:5,542 cm³ φ=21 cm、H=16 cm )
スキャン速度:約6分
カメラ:500 万画素 CMOS イメージセンサー
ファイル形式:.STL、.OBJ

本体外形:35 (L) x 25 (W) x 41 (H) cm 
本体重量:6kg

バンドルソフトウェア:Blacksmith Sorcerer
対応ファイル形式:.STL、.OBJ、.BS

対応OS:Windows、Mac OSX、Linux
電源仕様:100-240 V, 50-60 Hz, 100 W

接続方式:USB、SD Card、Wi-Fi 



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