2015年2月8日日曜日

シンガポールの学生チームが作った3Dプリント ソーラーカー「 NV8 」

シンガポール発:南洋理工大学( NTU )の学生チームはこのほど、世界初の3Dプリント ソーラーカー「 NV8 」を開発した。「 NV8 」は今月 26 日から4日間に渡り開催されるエコカーレース「 Shell Eco-marathon Asia 2015 」の都市コンセプトカー部門にもエントリーしている。

「 NV8 」はカーボンファイバー製モノコック シャシー上に、3Dプリントで製作したキャビン部が乗っている。キャビン部は軽量プラスチック製で、最大限のスペースを確保している。

開発チームリーダーの Ilmi Bin Abdul Wahab 氏は次のように述べている。「軽量プラスチックの3Dプリント キャビンを作ったのは、内部空間を目一杯取りたかったのと、総重量をできる限り軽くするためだった。出場するのは都市コンセプトカー部門だが、エネルギー消費は低く抑えつつ、最高時速 60 km を達成した」。

また、別の NTU 学生チームは3輪レーシングカー「 NV9 」も開発した。「 NV9 」は2輪車のようなティルト機構を搭載し、あまり速度を落とさずにコーナリングを可能にしたレース専用車となっている。

「 NV8 」開発チームは当初、スーパーカー型コンセプトカーを製作するつもりだったが、垂直方向に開閉するドアを持つミニソーラーカー製作に転じた。同開発チームによれば、学内の3Dプリンターを総動員し、多種素材を用いて行った組み立て工程が大変で、3Dプリント キャビンの製作だけで3か月かかったという。キャビン部に使用した部品は 150 点に上り、学生チームは同大他学部や Stratasys、Creatz3D といった協賛企業、およびシンガポール-MIT リサーチテクノロジーセンター( SMART )といった機関から助言を受けて完成させた。

両車両とも、低エネルギー消費を最大の目標に掲げて開発されている。そのため学生達は車体面に沿って柔軟に曲げられるシリコンソーラーセルといった最新技術を活用し、太陽光エネルギーを最大限取り込めるよう工夫を凝らしている。

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