2015年8月31日月曜日

世界初、10 種類の多素材対応、7,000 USD の自律型3Dプリンターシステム「 MultiFab 」

米国マサチューセッツ州発:マサチューセッツ工科大学( MIT )コンピューター科学・人工知能研究所( CSAIL )研究技師 Javier Ramos 氏らのグループはこのほど、10 種類の異なる素材の同時プリントを可能にした低コストの新型3Dプリンターシステムを世界で初めて開発したと発表した。

この「 MultiFab 」は複雑な3Dプリンターシステムで、主制御コンピューター、3Dスキャナー、3Dプリンターから構成されている。コンピューターはプリンター内部のコンタクトレンズ経由で連続的に3Dスキャンしながらプリントする。 その精度は髪の毛1本の半分以下の 40 μm だ。

「現在、3Dプリンターの主な用途は試作品製造にあるが、この技術の目指すべき聖杯は、異なる特性を持つ多種多様な素材を組み合わせ、プリンターから出てきたオブジェクトが即、実用可能な機能を有していることにこそある」と Ramos 氏は述べる。同グループによれば、今回開発した「 MultiFab 」3Dプリンターにはさらに画期的な機能として、プリンター自身がプリント作業を監視して自己分析し、エラーを自動修正するロボティクス技術が搭載されている点を挙げる。これにより、ほぼプリンター任せで実用レベルのオブジェクトが製造できるとしている。

「 MultiFab 」1台の価格は破格の低価格とも言える 7,000 USD に設定されている。昨年 1 月、Stratasys が世界初のマルチ素材対応型3Dプリンターをリリースした時、販売価格は 250,000 USD だった。

また、「 MultiFab 」にセンサーや電子回路等を直接投入し、周囲の部材だけ追加的にプリントして最終製品に仕上げるといった使い方にも対応しているという。

Ramos 氏ら開発グループの研究成果は世界最大級のコンピュータグラフィックス カンファレンス SIGGRAPH 2015発表された。



参照元記事1
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