2015年8月29日土曜日

3Dプリントで製造されたロケットエンジン重要部品の試験が成功

米国アラバマ州発:米国航空宇宙局( NASA )は現地時間 8 月 27 日、3Dプリントで製造されたターボポンプの性能試験をマーシャル宇宙飛行センターで実施し、試験は成功したと発表した。

このターボポンプは SLS 3Dプリンターで製造されたもので、ロケットエンジンに推進燃料の極低温液体水素を超高速回転で供給するための極めて重要な部品。性能試験は実際の打ち上げ時を想定した負荷( 毎分供給量 4,542 L、推進力 15.876 t )をかけて 15 回、行われた。このターボポンプは1分間当たり 9 万回転以上、3,315 °C 以上という過酷な条件にも耐えた。

今回の性能試験で使用された3Dプリント ターボポンプは従来の溶接などを使った製造法より 45 % 少ない部品で構成されており、製造時の省力化および低コスト化に貢献している。

このターボポンプ設計を主導した同宇宙センターの Marty Calvert 氏は次のようにコメントしている。「今回の試験成功により、NASA は積層造形( AM )技術分野に大きな飛躍をもたらした。このターボポンプに使用されている部品は今まで3Dプリントで作られた製品の中で最も複雑なものだ」。

同宇宙センター推進システム副局長 Mary Beth Koelbl 氏は声明で次のように述べている。「 AM 技術で製造されたこの燃料ポンプとその他関係部品の性能試験は、ロケットエンジン製造にまったく新しい工程を導入する際のリスクとコストの同時削減を目指す我々の取り組みを示すものだ」。



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