2015年8月2日日曜日

初のオール3Dプリント ファッションコレクションがお目見え

イスラエル・テルアビブ発:あるアナリストによれば、3Dプリントの市場規模はこの Q1 だけでも2倍に拡大しているという。3Dプリント技術は既にモノ作りに限らず、人体器官、食品、傷ついた動物の新しい足など、多種多様な分野で実用化されつつある。

シェンカー工科デザイン大学で学んだ 27 歳 の Danit Peleg 氏は、3Dプリント技術はファッション業界の主流になると予言する。同氏は卒業制作として「初の3Dプリント ファッションコレクション」を手がけ、このほど作品を公開した。

Peleg 氏は、3Dプリントについてはほとんど知識がなかったが、服のデザインが全て3Dプリントで可能かどうか試してみたいと思ったのがきっかけだったという。

「家庭用3Dプリンターを使用してコレクション用作品を全て作れるかどうか、挑戦したかった」と Peleg 氏。「市場に出回る既成品からではなく、オリジナルの布地を自力で作りたかった」。

スペイン BQ 製「 Witbox 」と FilaFlex 製フィラメントを使用して、Peleg 氏は5点からなるコレクション用衣装を完成させた。製作期間は最適な素材の調査と試作等に9か月、実際の製作に 2,000 時間以上、1点当たり約 400 時間[ 約 17 日間 ]もかかった。同氏によれば、一般的な PLA は衣服用としては脆弱で柔軟性に欠け不向きだったため、フレキシブルで強度もあるスペインのフィラメントベンダー Recreus の「 Filaflex 」を使用することでこの問題を解決した。

Peleg 氏一番のお気に入りのジャケット Liberte の場合、まず下絵を描き、ファッションデザインソフト「 Optitex 」と3D CAD「 Blender 」を使用して3D モデルを作り、それを Witbox に送信して出力した。




Peleg 氏は次のように述べている。「一切の介在物なしにデザインから完成まで、独自の素材からオリジナルの服を作ることができ、しかも全て家に居ながら可能になるのを見たことはとても楽しい経験だった。売るために誰かが選んだ素材を買わずに、自分で服が作れる。でもこれはまだほんの始まりに過ぎない。技術がさらに進化すれば、近いうちに誰もが家に居ながらにして自分の着る服を作れるようになる」。

参照元記事1
参照元記事2