2015年12月28日月曜日

地方都市の総合病院が3Dプリンターシステム運用を開始へ

英国ランカシャー州発:バーンリー市総合病院はこのほど、主に口腔や頭部の癌治療用として医療用新型3Dプリンターと付属ソフトウェア一式を導入した。

同病院外科部はプレストン市内に拠点を置く NPO Rosemere Cancer Foundation の援助でこの3Dプリンターシステムを購入した。購入金額は 32,000 GBP。

東ランカシャー病院 NHS トラスト 口腔外科回復医療コンサルタント Derek Moore 氏は次のように述べている。「今回の3Dプリンター導入は執刀医にとって強力な援軍になる。個人的にはインプラント治療計画において役立つと思う。術後の治癒力を高め、合併症リスクも抑えることができるだろう」。

従来のX線写真や歯型のような出力物と比べ3Dプリントによる3次元モデルは正確で、顔面再建術等で執刀医と患者双方の負担も軽減される。再建が不可能な場合も3Dプリントモデルの精密な再現力により、患者当人に最適な人工装具製作が短時間で可能になる。また患者にとっても執刀前に事前にその結果を目で見ることができるため、不安軽減につながる。

Rosemere Cancer Foundation 代表 Sue Thompson 氏は次のように述べている。「この3Dプリンターは執刀医の診断と手術計画にとって助けになるだろうが、最大の受益者は外科手術を受ける患者側だ。見た目の美しさも保証されるから、従来手法よりも高い生活の質( QOL )を享受することができる」。

バーンリー市総合病院に納入された3Dプリンターは年明けにも運用が開始される見込み。

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