2015年4月11日土曜日

「オリガミ」から着想した3Dプリンタブルな無線アンテナ

米国ジョージア州発:ジョージア工科大学で電気工学およびコンピュータ工学博士課程に在籍する John Kimionis 氏と、同氏の指導教官で IEEE フェローの Manos Tentzeris 氏は現在、日本の「オリガミ」原理を応用した立方体型ダイポールアンテナを、3Dプリントと導電インクジェットプリントとを組み合わせて廉価で製作する技術の開発に従事している。

オリガミの折り方は「吉澤 章 / サミュエル・ランドレット方式」と呼ばれ、英米およびスペインのオリガミ協会では現在もこの折り方に準拠している。両氏はこのオリガミの折り方を活用した、新しい立方体型ダイポールアンテナを考案した。

両氏によれば、従来の一般的な単一指向型センサーは、送信元に直向していない限り受信できないが、もし3Dプリントと導電インクジェットプリントとを組み合わせて可変指向アンテナを組み立てることができれば、ダイバーシティ効果と同様の、異なる方向からの電波受信が可能になり、アンテナだけでなく様々な用途の電波利用機器への応用も可能になるという。

両氏が試作したアンテナは、まず十字形の展開面を Stratasys の硬質光硬化ポリマー「 Rigid Opaque( VeroWhitePlus ) 」で出力し、その基板上に銀と酢酸銀の導電インクをインクジェットプリントしてアンテナ回路を組み込む。折り目に当たるヒンジ部は感熱性素材でできている。

Kimionis、Tentzeris 両氏はまず最適な受信状態となるように立方体に折った状態から設計とシミュレートを行い、それからこの立方体を展開して、十字形平面から再び簡単に折り戻せるようにした。各面の内側は銅テープで覆われ、アンテナ接地板の役目をする。両氏の研究は、全米科学財団国防脅威削減局から支援を受けている。

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